命を断つ、というコト

昨年春に初めて野生のイノシシを殺し、解体し、食べた。
その時は殺傷する数日前から緊張で夜も眠れなかったが当日は無我夢中で作業していたので感情が思いの外抑制され、ドタバタの内に終わってしまった。

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今回も店から10分ほど、2kmも離れていない山の畑の檻で捕獲できた。
畑の脇に設置された2ツのオリに、一つは20キロほど、もう一つは70キロほどのイノシシがかかっていた。 前日様子を見に行った際は二匹とも恐怖心のためか激しくオリにぶつかり鼻先を真っ赤にしていたが今日は諦めからか比較的大人しくこちらの様子を伺っていた。

動物園の様な強烈な獣臭立ち込めるオリ周辺に電気ショック仕掛を淡々と用意する。 1年近くブランクが開いたとはいえ、あの時の強烈な経験で心理的にはかなり余裕が出来たのか周りを観察する余裕がある。 
血まみれの鼻先から覗く白い骨、怯えと諦めと絶望の色を映す小さな瞳。 
これが全て。
これが我々の業。 
いかに実生活でそれに僅かも感じるコトすらなかったとしても、今、この現場がそれら無数の尊い犠牲の上で我々が成り立っている事実を、嫌という程つきつける。 
コトバや知識では、無い。 
これが全て。 
生きることの業。 

電気ショックを仕掛る

オリの隅で比較的動きが緩慢な瞬間を見計らい電気ショック棒を頭部と心臓の中間辺りに差し込む。 
断末魔の叫び声を上げ、一瞬で動かなくなる。
そしてゆっくり、沈み込む様に両脚を曲げ、涎を垂らしながら沈んでゆく。
差し込んだ首の辺りから焦げた煙が、彼女の魂の如くかすかに立ち昇り消えてゆく。 

涎が口から重く、長く滴る。 
ボクはただただ、罪から逃れたい卑怯な心からか中途半端にお経を唱えるのがせいいいっぱいだった。 

その内、続きます…